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今秋より社会人になる長男は、来月に引っ越しの予定である。
いよいよ自立するわけだが、その現実を前にしてもいまいちピンとこない。
ハンバーグを作るときに、もうひき肉を700gも買わなくて済むんだなとか、(長男と次男は大きな草鞋のようなハンバーグを二つずつ食べる)、毎日7合、8合とお米を炊かなくてもいいんだなとか、どうも
世帯くさいことばかりが頭に浮かぶ。
「出て行かれたら、寂しくなるわよ」と職場の人に言われると、ああ、きっとそうだろうなぁと思うけれど、長男がちゃっちゃと引っ越し準備をしないかぎり、いつもと変わらぬ生活風景なのである。
お盆休みは、毎日長男と顔を突き合わせてお昼ご飯を食べた。
「アパートはどうするの?」
「うん、わかってる」
「スーツ、一着しかないやろ?」
「うん、わかってる」
いったい、どこまでわかっているのか測りかねるけれど、見上げるように大きくなった長男に手とり足とり教えるなんて愚の骨頂。
ま、なんとかするでしょうと高を括ることにした。

ところが、昨夜、お盆休みも今日で終わりという夜になって、彼は「車の免許をとりたい」と言いだしたのだ。
たしかに、就職前の合間を免許取得に充てるのが最善とは思うけれど、アパートは決まらず(探してもいない)、世帯道具はフライパンと薬缶を買っただけ。
私は「なんでもっと早く言わないの?時間がなさすぎる!」と反対したが、彼は生活に関することはなんとか間に合わせてみせると言い切る。
それでも反論を続ける私を制して、長男が言うことに
「オカンを責めるわけやないけど、俺は親父がおらんかったから、当り前に親父が運転する車の助手席に座ったことがない。車の名前も種類も知らん。車に関しては、ずっと負い目みたいなものを感じていたんや」
社会人となる今、その負い目を断ちきりたいのだと言う。
私は言葉につまった。と同時に、思い出していた。
長男がまだ幼かった頃、お風呂屋さんでのことである。
幼いゆえに長男は私と一緒に女湯に入っていたのだが、湯船に浸かっていた同じ年ごろの男の子が壁の向こうの男湯に向かって「お父さ~ん」と呼びかけた。
「おー」だったか「あー」だったか忘れたけれど、父親らしき男の人の声が聞こえた。
それを聞いていた長男が私に、「お母さん、僕も『お父さん』って呼んだら、返事が返ってくる?」と言ったのだった。

私の反論はここで完敗。
そうとなっては、親の勝手の代償として全面的に応援してやりたいが、情けないことにローン(しかも本人名義)に頼るしかない。
「あんた、しんどくなるで?がんばれる?」
笑うと幼いころの面影が残る長男の笑顔に、少しばかり頼もしさを感じた。




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【2008/08/18 23:03】 | 未分類 トラックバック(0) |
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