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年が明けて一ヶ月経とうとしている。
今年こそはの決意も新たに出発したはずなのに、やれお節だ初出だ、いやいやまだ松の内と言っているうちに一年の12分の1をやり過ごしてしまった。
「年はとりたくないねぇ」
まるでお題目のように唱えているが、本音を言うと、いやいや私にはまだ挽回できる余地ありと楽観している節がある。
一体何に対してなのかは自分でも分からないのだが、このフレーズは所謂フェイント攻撃のような気がするのである。

今夜、旧い友人から電話があった。
湯豆腐で晩酌を楽しんでいた私は
「いやぁ、お久しぶりやね~、どないしてたん?」
とかなり高めのテンションで歓迎したが、友人の声は低く重い。
さもありなん、友人のお兄さんが膵臓ガンで入院されたという。
お兄さんには幾度かお会いしたことがある。
寡黙な方だが、どこか飄々とした風貌で「普段はめったに着ないんだ」と仰るスーツの後姿がとても素敵だった。
余命一年。なんで早く気がつかなかったと、悔やむ彼女に為す術もない。

「この10年で、両親をおくり、兄までおくることになりそうやわ」
――湿っぽい電話でごめんね、
そう謝った後、友人はつまらない冗談を言っては無理に笑っていた。

「年はとりたくないねぇ」
今夜、このフレーズが身につまされる。




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【2006/01/31 00:03】 | 未分類 トラックバック(0) |
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